駆け出しの頃・・・・・・
2017年07月03日
院長ブログカテゴリー: 雑感.
僕が20年近く見させて頂いていたネコさんが旅立たれた時のお話。
少し前になりますが、飼い主様がご挨拶に来て頂いて色々お話させて頂きました。
その仔は僕が獣医師になって一年目の文字通り『ぺーぺー』の時に乳腺の腫瘤で診察をさせて頂いてからの
長い付き合い。
まだ猫の乳腺腫瘍を経験したことが無かったので(ネコの乳腺腫瘍は90%近くが腺癌という悪性です)、
先輩の獣医師をその診察室に呼び込みました。
なんでもその時「獣医師を呼びますのでお待ちください!」と言ったとか・・・・
その飼い主様は「あなたも獣医師でしょう^^;;」と思われたそうです。
それからずっと担当させて頂き、開業してからも遠路はるばる、大阪の平野からお越し頂いておりました。
今までその飼い主様とは、その当時の話は全くしたことがありませんでした。
たぶん未熟で不完全な獣医師としての僕を包み隠していてくれ、プライドを保って頂いていたのだと思います。
お話の最後に差し掛かった時、僕とその仔が出会った日の事をゆっくりとお話され始めました。
なぜそんな『ぺーぺー』の僕を頼って頂き、その後も20年近く、大事な子供同然の仔を僕に託してくれたか、
理由を教えて頂きました。
未熟な僕に色々な事を教えてくれたその猫さん、未熟な僕に治療を託して頂き応援頂き、支えて頂いた飼い主様、
感謝の気持ちしかありませんが、最後は会えなかった旅立つ4日前のお写真を拝見し、
言えなかったサヨナラを告げることが出来たかなと感じました。とても安らかなお顔で安心しました。
心からご冥福をお祈りします。たらちゃん、ありがとうね~。安らかに。
